自然の息づかいを笑写するブログ

遠くの観光地に行かなくても、身近にある自然が、あなたが来るのを、今か今かと首をながーくして待っています。自然は 喜ばせごっこ、おもてなしごっこ そして不思議な世界で溢れています。自然の笑アップを写し込んでアートにしています。

アナグマは人家近くの里山に生息

 
 
             人家近くの里山に生息

 

 アナグマはクマではありません――このように書くと、当たり前じゃないかと言われそうですが、実は、アナグマを撮影しに行くと言うと、多いのが「気を付けてくださいね」「どんなクマなんですか」というもの。アナグマという名前から、クマの一種だと思われているようです。

 アナグマというのはイタチ科の一種で、日本に古くからすんでいる動物。地方ではマミとかムジナと呼ばれています。

 ことわざで「同じ穴のムジナ」と言いますが、これはアナグマの巣穴にタヌキが潜り込んでいて、アナグマを捕ろうとして煙でいぶした時、タヌキが飛び出してきたことに由来します。

 これまで5年間にわたり、山口県と長野県の2カ所でアナグマを狙い続けてきました。山奥にいるのではと思われているようですが、どちらも巣穴から人家が見えるような場所です。いわゆる里山に巣穴を掘って生活しています。

 アナグマの生態については分かっていないことが多いのです。アナグマのメスの行動範囲は約2キロ四方。そこに60個もの穴があり、どこの穴を使っているのか一目では分かりません。

 

タヌキとの混同が多い

 何年か観察を続けていると、冬眠する時にはこの穴、子育てにはこの穴というように、アナグマたちが使う重要な穴が分かってきます。ただ、母親は音に敏感で、人の気配を察すると、子育て中でも引っ越ししてしまうことも。そうなると撮影もストップしてしまいます。

 このため、ビデオカメラを設置して監視をしながら、遠隔操作で撮影しています。5年目にして、やっとさまざまな姿を撮影することができました。

 一番の驚きは「じぇじぇじぇビーム」。

 交尾の時期にオスが巣穴にやってくると、「じぇじぇじぇ……」と鳴き始めます。それを聞いたメスが巣穴から出てきて交尾するのですが、実はこの鳴き声、子育ての時にも活躍します。子どもたちを巣穴の外に呼び寄せるための鳴き声と同じなのです。時期になると、メスが「じぇじぇじぇ……」と子どもたちに呼び掛けながら、巣穴からバックして出てきます。

 繁殖期にオスが鳴き声を出すことは知られていましたが、子育てにも同じ声が使われるというのは意外でした。

 タヌキと混同されることが多いアナグマですが、たくさんの魅力的な姿を、私たちが住んでいるすぐ近くの山で見ることができます。里山の自然とともに守りたい存在です。

 

=談

 

 ふくだ・ゆきひろ 1965年、東京都生まれ。雑誌、カレンダー企画をはじめ、動物を撮影するエコツアーも企画開催する。写真集に『アナグマはクマではありません』『それでも美しい動物たち』など。